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日隈ブログ

2019年02月15日 ブログ

認知症患者さんへのアプローチ〈精神科作業療法〉

小さい頃、どのような遊びをしていましたか?
男性はけん玉やメンコにチャンバラごっこ、女性はおままごとやおはじきなどでしょうか。

当院では月に一度認定心理士と作業療法士で「かたろう会」という回想法のグループ活動を実施しています。回想法に体操や創作の活動を取り入れ、精神科作業療法として行っています。

回想法とは昔の懐かしい写真や音楽、昔使っていた馴染み深い家庭用品などを見たり、触れたりしながら、昔の経験や思い出を語り合う一種の心理療法です。1960代にアメリカの精神科医、ロバート・バトラー氏が提唱し認知症の方へのアプローチとして注目されています。

認知症の方は、最近の記憶(短期記憶)の保持や想起は困難ですが、昔の記憶(長期記憶)は保持され、想起も可能と言われています。昔のことを思い出して言葉にしたり、相手の話を聞いて刺激を受けたりすることで脳が活性化し、活動性・自発性・集中力の向上や自発語の増加が促され認知症の進行の予防となります。また、昔の思い出に浸りお互いに語り合う時間を持つことで精神的な安定がもたらされます。

今回のかたろう会のテーマは「昔の遊び」です。
けん玉やビー玉、おはじき、お手玉などみなさんに懐かしいおもちゃを見て頂くと「ビー玉はラムネに入っとたね」「自分で人形を作って人形遊びをしよったよ」と笑顔のみなさん。
実際に手に取り、隣に座っている方と昔を思い出しながら遊んでいるようでした。中には立ち上がってお手玉やけん玉に挑戦する方もいて短い間でしたが子供の頃の気持ちに戻り、時間を忘れて皆さん楽しんでいました。

次回のテーマは「ふるさと(出身地)の話」です。笑顔の絶えないみなさんからどのようなお話を伺えるのか今から楽しみです。

© Hinokuma Hospital.


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